水田の土づくりでケイ酸成分を投入すると、稲体のケイ酸含有率が高まり、葉の硬い丈夫な稲に育って光合成が促進されることが分かっている。
開発肥料株式会社が、全国215ヶ所で水稲の肥効試験を行った結果、食味値は90%の区で対照区を上回り、対照区の食味値を100とした場合の食味値指数は106だった。収量も9割近い区で増えた。
朝の露なびきがない、手で触っても葉の肉厚を感じる、穂の籾の重さで垂れている収穫前でも、朝露がたっぷり乗ってもなびかない強い葉ができる。と賞嘆している。(JA西いわき営農指導員)
全県の1等米比率が57%の中で、5~6年前からけい酸加里を活用して米質向上を図ってきた当JAは、今年も80%はいける。と見ている。
管内で70%を占めるコシヒカリには、けい酸加里は必須品目としてきた。それは、葉いもち病防除と倒伏防止、米質向上に役立つため。(農業改良普及員)
「平成10年の台風で施設のきゅうり、メロンの被害は大きく、ハウスによっては収穫皆無のところもあったが、けい酸加里を施用したきゅうりは被害後の草勢の回復が早く、新しい蔓の伸長、花着きもよく、JA担当者もその効果を認めていた。」
高冷地農業センターでは、根深ねぎに50kg/10a施用している。「この地域は、7月下旬から毎日強風、曇天にみまわれて葉折れねぎが多く見られたが、けい酸加里区では葉折れが少なかった。」とのことでした。
JAえちご上越頸北営農生活センターでは、「実証圃の生育調査に入ると、けい酸加里区は稲がシャッキとしていて違いが直ぐ分かる。酒米研究会でも、基準どおりけい酸加里を基肥に40kg/10a入れた圃場は極めて生育がよい。」とのことでした。
昭和58年以来高知県でけい酸加里の実証展示をした結果、品質向上、収量増となりました。
しょうがは、園芸作物の中で比較的ケイ酸吸収の多いとされる作物ですので、高知県ではけい酸加里の施用が欠かせないものとなっています。
青ねぎを生産している農家では、「春期の1回けい酸加里を100kg/10a施用し、年2 . 5回ぐらい栽培しているが、以前より葉折れが減少し、葉色も濃いグリーン で良質のものが収穫できるようになった。」とのこと。
ベリーAぶどうを25a栽培している農家では、「けい酸加里を11月に40kg/10a施用しているが、樹勢もよく糖度も高い。」と話してくれました。
JA静岡市管内では、茶の施肥設計を硫加からけい酸加里に切替栽培し、地元の茶連が販売している地区があります。お話を伺うと、「新しい施肥基準にしてからお茶がおいしくなったと好評を得ている。」とのことでした。
JA上田での営農技術員および担当農家の方の話では、「平成10年は全般的に枝梗いもち病が大発生したが、けい酸加里区は発生せず、倒伏もなく増収でした。美味しい米を多収するため今後ともけい酸加里を継続して使っていきたい。」とコメントしてくれました。
注)ケイ酸がケイ化細胞を強化して茎葉を丈夫にするため、いもち病に対する抵抗性が増します。
入賞した各農家を訪問しお話を伺うと、最優秀賞を受けた農家では、「やま芋に基準通りけい酸加里を100kg/10a入れた結果、昨年は1850kg/10aを収穫し、110万円の販売額で受賞した。今年は面積を増やす。」とのこと。準優勝を受けた農家では、「今年も継続してけい酸加里を使う予定。」だという。
また、3位入賞者からは、「飼料畑を切り替えやま芋を始めて2年目だが、上物率が高く入賞出来た。施肥は厩肥主体でやってきたが今年は、けい酸加里、ようりんを施して収量を2トン位は狙ってみたい。」と話してくれました。